クロム・クルアハ

クロム・クルアハ Crom Cruach

忌まわしき三日月と和名をつけられた古代アイルランドの黒き神。日本では羊の角に蛇やドラゴンの体を持つと紹介され、遊戯に取り込まれる形でその名が通るようになった。竜体という特徴に対しては実際に根拠を示す事が出来ないものの、ケルトで好んで用いられる羊頭蛇身の象徴がクロム・クルアハの伝統的な表現であるとする説がある。

太陽と豊穣、不妊治療の神として信仰された。Cromは曲がった、頭などの意味を持ちcruachは血まみれや山のような形容を表している。ミレー族( Milesians)に主に信仰された。また、 エチオピアが出自とされるミュール族(muur) の黒人の神、クロム・ダブ(crom dubh)※の前身と言われている。

アイルランドで強く信仰されていたクロム・クルアハは像を持っていた。その像は、マグ ・ シューレフトと呼ばれた場所に12もの神々の石像と共に鎮座していたという。クロム・クルアハの像は、12の像に囲まれて立ち、金と銀で覆われていた。アイルランドへのキリスト教の流入と共に、その僧侶であるパトリキウスが根強いクロム・クルアハの信仰を破ろうと像を破壊しその信仰を禁じる。

それからパトリキウスにより、クロム・クルアハの敗北の記念として7月の最後の日曜日、或いは8月の最初の日曜日をクロムダブの日曜日(Domhnach crom dubh)、また一つの別名にルグナサド(Lughnasadhルーの祭り)として祝うようになった説がある。他にもガーランドの日曜日(Garland Sunday)といったいくつかの呼び方がこの時期の祭りに存在するようだ。

ブラッディボーンズというブギーマンがいるが、これはクロム・クルアハが元になっている説がある。crom(曲がった)がcnámh(骨)と伝わり、血まみれの骨の男と伝聞したからである。ブラッディボーンズはイギリスやアメリカで多様な姿を得て、子供を怖がらせながら伝統として親しまれている。

  

 

※資料に乏しく、インターネット上の噂に留まっているものの、曲がった(crom)黒(dubh)、つまり黒人にして曲頭の黒き神格であり太陽と豊穣、不妊など権能まで共通している。また、この呼び方はルグナサドの祭りのようにパトリキウス僧侶が関わると見られている。

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